身近な虫と植物と。

主に生物、植物について書こうかなと思っています。

セミについて 2

さて。セミの続きです。日本には今約30種類のセミが生息していると言われています。

その中でもかなりポピュラーなアブラゼミクマゼミ、ミンミンゼミについて今回は書こうかなと思っています。

 

アブラゼミ

時期…7月~9月

体長…5.5~6センチ

体色…茶色。羽は不透明

幼虫6年、成虫1週間

分布…日本、朝鮮半島、中国北部

生息地…湿度が高く暑い所を好む

食べ物…幼虫、成虫ともにバラ科樹木の樹液がすき

羽が不透明なセミは世界的にも珍しいらしいですが、じゃあ一体世界にはどれくらいの種類が不透明なんだろう?調べてもわかりませんでした。

 

クマゼミ

時期…7月上旬~9月上旬

体長…6~6.5センチ

体色…黒色。翅は黒と透明。脈は黄緑。

幼虫4~5年、成虫2週間

分布…本州、四国、九州、沖縄

生息地…温暖で明るく乾燥した所

食べ物…ケヤキ、エノキ、ポプラなど

 

 ミンミンゼミ

時期…7~9月

体長…5~6センチ

体色…黒地に緑

幼虫5~6年、成虫2~3週間

分布…かなり偏りがある。東日本では平地~丘陵地、西日本では低山地~山地

生息地…森林性で暑さに弱く、傾斜地を好む。

 

アブラゼミの減少について

さて、札幌、函館、青森、八戸などの北日本の一部ではアブラゼミが減少しているとの報告がある。それはなぜなんだろう?

考えられる原因はいくつかあるみたい。

・都市化が進んだことによる乾燥化により、高湿度を好むアブラゼミの生息域が減った。

→これに関してはアブラゼミクマゼミはそれぞれ好む木があり、乾湿によって生息域が決まるものではない。と言っている人もいます。

・野鳥の捕食説

アブラゼミの逃げ方は樹木に隠れる逃げ方で、クマゼミの逃げ方は飛んで逃げる逃げ方。都市などの樹木の少ない所ではアブラゼミの逃げ方は天敵である野鳥に捕食されやすく、その結果数が減少したのでは?

 

これらをふまえた上での個人的考察

都市化が進みアブラゼミの好む高湿度な環境が減少したことに加え、街路樹などに使用される樹木の種類がアブラゼミよりもクマゼミなどが好む種の方が多いため結果として減少している地域があるのではないだろうか?

この考察の正解を知るためには街路樹の種類を調べなくてはならない。

野鳥の捕食説についてはそれだけでは減少の理由にはならない気がする。東京あたりでは今でもアブラゼミ優勢のようだし…。

 

ミンミンゼミとクマゼミの棲み分け

ミンミンゼミとクマゼミの鳴き声は人間には全く違ってきこえるけれど、ベースとなる音は同じでありゆっくり再生するとミンミンゼミ、早く再生するとクマゼミの鳴き声になります。さらにこの2種は鳴く時間帯も午前中と被っています。(アブラゼミは午後に鳴く)

そのためこの2種は発生時期をずらすことによる棲み分けをしており、西日本ではクマゼミ終息後にミンミンゼミの発生が始まるそう。

ここで私がすごく気になったのが、なんでミンミンゼミとクマゼミ、ベースの音同じなの?ということ。元は同じ種類だったのか?

セミの鳴き方というのは、お腹にある発音器の構造(共鳴室という空洞の広さとか)によって変わるらしいんですが、ミンミンゼミとクマゼミはこの構造が似ているのかな?

タイワンクマゼミはちょうどクマゼミとミンミンゼミの中間のような鳴き声らしいし。どちらにせよ開腹してみないとわからないよなぁ。

 

セミについては調べれば調べるほど疑問が出てきて面白い!退院して初めてみるセミの見方が少し変わりそうです。